画用ニス(ワニス、樹脂油)

ニスは基底材(キャンバスなどの支持体)と互いに作用し合って以下のような働きをする。

  1. 絵具の固着性、堅牢性、柔軟性を助長
  2. マチェールの変化
  3. 絵具(彩材)の持っている物理化学性の欠陥を補う。
  4. 透明性を助長(ツヤ)
  5. 吸収度の調整
  6. 乾燥度合いの調整
  7. 画面保護

 

ニスの成分

  • 樹脂・・・光沢、透明性、堅牢性(マティエール)
  • 油・・・柔軟性を持たせる
  • 揮発油(ペトロール)
    ・ニスの皮膜をできるだけ薄く塗布したい場合
    ・ニスの粘りを弱めたい場合
    ・ニスに何ら特性(質)を与えない
    ・多量に混入した場合、マティエールとして鈍い
  • テレピン・・・テレピンを含む処方のニスは伸びやすく筋張ったマティエール
  • アスピック(ラベンダー)・・・ ニスに丸みを持たせる。すべすべしたマティエール。画肌に密着性を持たせたい。
  • αーピネン・・・揮発性が大変早いためニスの不必要な粘りを制御してくれる(グラッシー用、仕上げ用ニス)