絵具の乾燥

油絵の具

kanso-kyokusen

乾燥

油の乾燥は、水や揮発性油のように蒸発、揮発によって乾くのではない。酸化重合し、被膜の形成が起こる。

1.酸化・・・油が空気中の酸素を吸収して硬いゴム状の塊、あるいは、透明な硬い固体の酸化物を作る。

2.重合・・・いくつかの分子が集まって、一つの分子のように働く現象。
ゼリー化現象・・・濃縮化現象。酸化重合し、被膜の形成が起こる。リノキシンという物質が出来る。

乾燥油

沃素価・・・試料油にハロゲンを作用させた場合、吸収されるハロゲンの量を沃素に換算し、試料に対する百分率で表した州数値。(含有される脂肪酸の不飽和度を示す)

乾燥促進・・・温度、湿度にも左右される。

1.人工的、物理的方法

  • 加熱・高温状態にもっていく。
  • 空気中で太陽にさらす。

2.乾燥剤により物理的処置作用

  • 乾燥剤によっては、油にとけない物があるため、高温・熱湯中に分散させて加工する。

乾燥剤

  • 酸化型の性質(表面乾燥)・・・コバルト、マンガン
  • 重合型の性質(内面乾燥)・・・鉛白、鉛化合物(酸化鉛)、一酸化鉛(蜜陀僧)・・・赤鉛、亜鉛化合物(硫酸亜鉛・・・皓礬(コウバン)
  • オクチル酸ジルコニウム・・・表面、内面

 

油(亜麻仁油)100gに対しての割合

  • 鉛化合物・・・0.6%
  • コバルト・・・0.08%
  • マンガン・・・0.15%
  • 鉛+マンガン・・・0.5+0.1%
  • オクチル酸ジルコニウム・・・上記の力価10倍近く有る。

平均的配合比率は油の重さの2〜3%が限度

 

油の黄化(Yellowing)

乾性油は暗さ、湿気により促進させる。顔料

 

画用の油

沃素価

  • 乾性油・・・120、130〜200
  • 半乾性油・・・100〜120(とうもろこし油、綿実油、ごま油、はぜ油、なたね油、ぬか油)
  • 不乾性油・・・80〜100以下

 

水彩絵の具

  • 水分がなくなることにより、アラビアガムが固まる。再び水をつけると絵の具が溶ける。

アクリル絵の具

  • 水分が無くなることにより、アクリル合成樹脂が凝固する。再び水を付けても絵の具は溶けない。