ヴィリディアン,Viridian,Guignet’s green,Vert Emeraude

人工無機顔料,酸化物素(焼成化合)系

含水酸化クロム Cr2O3・2H2O

1792年に元素を発見したが、1838年に作り出され、1859年に絵の具として工業的に作りだされた。

耐酸・アルカリ、耐光性だが、熱には変化する。

明るく深い透明性を持つ。どの色との混色も可能。乾燥性も早い。

彩色上、厚くも薄くも展色できる体質を持っている。

仏名でベールテムロードといい、英訳名がエメラルドグリーンとなるが、仏名で言うところのベールベロネーズ(Vert Veronese)がエメラルドグリーンを指す。

エメラルドグリーンが不安定なため、ヴィリディアンを用いてこの色味の効果を作り出す例として以下に示す。

下層に、少量のシルバーホワイト、ロウシェンナ(ネープルスイエロー色調)をおき、完全乾燥後、ヴィリディアンとわずかなシルバーホワイトで薄く展色する。

または、ヴィリディアンとストロンシャンイエローとの混色。