茜(あかね)
アリザリン(1.2ジオキシアントラキノン)C12H8O4・・・主成分
パープリン(1.2.4トリハイドロオキシアントラキノン)C14H8O5・・・アリザリンとごく近い成分
アカネソウ(Rubia Tinctrorium)の根から抽出される染料(ギリシャが原産)を体質顔料に吸着されたもの。塊根を発酵させ希硫酸で加水分解し色素を抽出させる。
染め付ける体質により帯紫赤色、ピンク色、赤、紫、帯褐黒色とできる。特に天然のこの茜はパープリン成分を含有しているためオレンジ赤、黄味のある暖かな色調を持ている。
- ピンクマダー(Pink mader)
- ローズマダー(Rose madder)
- ディープマダー(Deep madder)
天然有機物レーキの中で最も安定している。透明で鮮やかで暖かな赤紫色。体質のある層の上に被覆した場合堅牢である。色液状の場合、光線により褪色を生じやすい。乾きは遅い。
吸油量100%〜125%
特にシルバーホワイトとの混色や白の上に被覆すると色味が吸収されやすいので注意。
現在、あるメーカーにはまだ天然のものを使用して絵具を作っているが、特に油絵具はほとんど人工合成である。
1868年に合成法が発明され、ナフトール系のアリザリン染料から作られている。
特性は天然のものと似ているが、色味のパープリン成分が無いため、暖かみの無い、冷たい紅紫色である。
吸油量24%〜45%
土性系との混色は不変性を失うので注意が必要。
付記
この物質の一番の興味はアリザリンを含んでいることである。 オレンジから赤の結晶となる。水にはほとんど溶けない。アルコールには容易に溶ける。また、不揮発性油、アルカリ性のものに溶解する。
アルコールや水性での溶解はローズ色になる。エタノールでは黄金黄、アルカリでは紫、濃縮して青になる。しかしこの場合、希釈して紫赤を得られる。
アリザリンとミョウバンとの混合物の沈殿したものから美しいローズ色が得られる。
Luminescents is a Moonshine Group Company の記述より
http://www.luminescents.co.uk/catalog/product_info.php?products_id=1107